水府提灯について
ABOUT SUIFUCHOCHIN
提灯の歴史とあかり
その昔、提灯は武家・貴族などの上流階級の間で客の送迎用として使用されていました。
江戸時代になると、ろうそくの普及とともに一般庶民の実用品としても提灯がたくさん使用されるようになり、折りたためて携帯に便利なものや、祭礼用提灯など用途に応じてバリエーションが増えました。
そして、長い歴史の中で、ろうそくの「あかり」は電球の「あかり」へと受け継がれ、近年はLEDも使用されるようになり、光や色の変化も楽しめるようになりました。
いずれも和紙を通すあたたかで優しい提灯の「あかり」はこれからも時代を照らし続けることでしょう。
日本三大産地の水府提灯
江戸時代に水戸藩の産業振興として生まれた「水府提灯」は下級武士の内職から始まったと言われています。(水府とは江戸時代の水戸の異称)
近郊には「西ノ内紙」と呼ばれる水に強い丈夫な紙の産地や良質な竹の産地があり、それらを主材料とし、さらに「一本掛け」という独自の手法でつくられた提灯は「丈夫な水府提灯」と評されました。
水戸は岐阜、八女と並ぶ提灯の日本三大産地と称されるようになり、現在に至っています。
提灯づくりの工程
竹ひごを螺旋状に巻き上げてつくる一般的な提灯の製法に対して、伝統的な水府提灯は一本一本輪にした竹ひごに一本ずつ糸をからめる「一本掛け」という独自の製法で製作されるため、大変な手間暇がかかりますが、丈夫な提灯に仕上がるのが特徴だと言えるでしょう。時代の流れに沿って、新しい素材や製法も取り入れるようになると、生産性も上がり水府提灯の可能性の幅は広がってまいりました。ここでは当社が手掛ける伝統的な「一本掛け」提灯の製作工程をご紹介させていただきます。
1.竹ひごの先端を薄く削り、輪にして和紙で繋ぎます。
2.種類ごとに作られた型を組み上げます。
3.木型の目に、輪にした竹ひごを一本ずつ掛けていきます。
4.竹ひごに一本ずつ糸を掛け、しっかりと固定させます。
5.一コマずつ糊刷毛で丁寧に糊をつけていきます。
6.和紙をのせ撫刷毛(なでばけ)でこすり、余分な紙を切り落とします。
7.貼りあがったら十分に乾燥させ木型をはずします。
8.ひご目に沿ってヘラをいれ、丁寧に折りたたみ完成。
〒310-0036 茨城県水戸市新荘1-5-50
TEL:029-221-2491(代) | FAX:029-231-6570